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医療事故を避ける為に

医療事故を避ける為に

カリソルブに最初着目したのは、医療事故を避ける為でした。
というのも、私は2016年に水頭症という病気を発症し、長く入退院を繰り返していて、患者さんの治療をするのが困難になっていたからです。

水頭症というのは脳室に髄液が溜まる病気で認知機能が下がります。妻は私が認知症になったのだと思い、物忘れ外来に連れて行きました。
診断の結果は、「一般的な認知症ではありません。滞っている髄液の流れをよくする為にシャント手術をすれば治ります」というものでした。水頭症は唯一治る認知症と言われているのだそうです。しかし、それからが大変でした。私の髄液は濁っていてすぐ詰まるので、シャント手術が出来ず、その濁りの原因が幾ら調べても分からないという事でした。

最初の病院では見放されました。脳外科でしたが、シャント手術が出来ないからです。そこから病院探しが始まりました。そして全国でも屈指と言われる国立K病院の神経内科に辿りつきました。しかし、そこでもやはり濁りの原因が分からない。更に一年、入退院を繰り返し、やっと原因が仙骨周辺に出来た膿瘍に巣食っていた真菌であることが分かりました。看護師さんが仰るには、担当のO先生が粘りに粘って何度も検査を繰り返し、原因を突き止めて下さったのだそうです。まだお若い先生ですが、心から感謝しています。

膿瘍摘出手術、シャント手術を経て、水頭症は治りました。しかし、ほぼ4年間の空白を経て治療を再開し、感じたのは、このままでは医療事故を起こしてしまうということでした。

まず足が以前程動かない。歯を削る機械であるタービンは足で操作します。前回書いたように分速30万回転のタービンは操作が遅れると制御が利かなくなる危険があります。それで、5倍速コントラを使い始めました。回転が遅いので私の足でも操作出来ます。水頭症だった名残がまだ残っていて反応が遅いところがありますが、それでも十分コントロール出来ます。5倍速コントラの特徴は、軸がぶれないというところにあるからです。

しばらくは5倍速コントラを使い、メンテナンスのみをしていました。
そして、患者さんに危険を及ぼさず診療復帰するにはどうすれば良いか考えあぐねていた時、たまたまカリソルブの記事を読みました。歯を削らず危険のない治療が出来る。これだと思いました。医療事故の殆どは、タービンの誤動作と麻酔が原因ですが、カリソルブではタービンも麻酔も使用しません。

論文を取り寄せたところ、考えていた以上に素晴らしい治療であることが分かりました。私の専門は移植ですが、それに出会った時以来の感動を覚えました。その話についてはいずれまた。